面接において言葉遣いは、選考を左右する大切な要素です。志望動機などの話す内容はもちろん大切ですが、言葉遣いが悪いと「入社後にお客様や取引先へ失礼のない対応ができるのか」と面接官は不安を抱きます。
この記事では、就活で必要な敬語の使い方を身につけられるよう、敬語の基本知識・よくある間違い・メール・電話での正しい使い方まで詳しく解説します。
◆ この記事でわかること
- 尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと使い分け
- 正しい言葉遣い7つのポイント(御社・クッション言葉など)
- 二重敬語・学生敬語・バイト敬語のNG例
- メール・電話での正しい敬語の使い方
敬語とは?3種類の基本
敬語とは、立場・役割・年齢などの違いにより、敬意やへりくだりの気持ちを表現する言葉です。面接でよく使う3種類を押さえておきましょう。
- ① 尊敬語:相手の動作に使う(相手を高める) 例:行く→いらっしゃる
- ② 謙譲語:自分の動作に使う(自分をへりくだる) 例:行く→伺う
- ③ 丁寧語:言葉を丁寧にする(です・ます) 例:行く→行きます
尊敬語と謙譲語の区別に迷ったときは、「自分の動作か・相手の動作か」を意識してみましょう。自分の行動に尊敬語を使うのはNGです。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の対比表
言う
尊敬語:おっしゃる / 謙譲語:申し上げる / 丁寧語:言います
聞く
尊敬語:お聞きになる / 謙譲語:拝聴する・うかがう / 丁寧語:聞きます
会う
尊敬語:お会いになる / 謙譲語:お目にかかる / 丁寧語:会います
受け取る
尊敬語:お受け取りになる / 謙譲語:いただく・頂戴する / 丁寧語:受け取ります
持っていく
尊敬語:お持ちになる / 謙譲語:持参する / 丁寧語:持っていきます
正しい言葉遣いをマスターする7つのポイント

① わたし? わたくし?
ビジネスシーンの一人称は「わたし」か「わたくし」が基本です。社外の人との会話では「わたくし」がより丁寧な印象を与えます。男性が普段使う「僕」「自分」は面接では避けましょう。
② 御社? 貴社?
- 御社:面接などの話し言葉で使う
- 貴社:ESや履歴書など書き言葉で使う
その他:銀行→御行 病院→御院 学校→御校
③ 社長様? 部長様? →NG
役職は敬称なので「社長様」とは言いません。「〇〇社長」「〇〇部長」と名前を付けるのが基本です。面接官に対しては「〇〇様」と名前で呼ぶと印象が良いでしょう。
④ なので・だから → ですので
つなぎ言葉として使いがちな「なので」「だから」は、面接では「ですので」「ですから」に言い換えましょう。「ですので」のほうが柔らかく丁寧な印象です。
⑤ 大丈夫です → 問題ありません
「大丈夫です」は承諾・否定どちらにも取れるため面接にはふさわしくありません。「問題ありません」「はい、ありがとうございます」「いいえ、結構です」など、はっきりと答えましょう。
⑥ クッション言葉を使いこなす
◆ よく使うクッション言葉
- 「お忙しいところ申し訳ありません……」
- 「恐れ入りますが……」
- 「お手数をおかけしますが……」
- 「大変恐縮ですが……」
- 「差し支えなければ……」
⑦ 口調のクセ・言い換え一覧
◆ 面接での言い換え
- あとで → のちほど
- ちょっと → 少々
- すごく → とても
- すみません → 申し訳ありません
- わかりました → かしこまりました
- いいですか → よろしいでしょうか
- どうですか → いかがでしょうか
- だれですか → どちらさまでしょうか
- ありません → ございません
間違ったNG敬語
① 二重敬語
二重敬語とは、1つの語に敬語を二重に使うことです。丁寧にしたい気持ちがあっても、不適切な重複は避けましょう。
■ 二重敬語の例
- ✗ ご覧になられる → ◎ ご覧になる
- ✗ 行かせていただきます → ◎ 参ります/伺います
- ✗ 送らせていただきます → ◎ お送りいたします
- ✗ 話させていただきます → ◎ 申し上げます
★ 広く定着している二重敬語(許容される表現)
- お召し上がりになる/お見えになる/お伺いする/拝見いたします
② 学生敬語
部活やサークル内で無意識に定着した間違い敬語です。当てはまるものがないか確認しましょう。
- ✗ 自分・僕 → ◎ わたくし・わたし
- ✗ わかりました → ◎ かしこまりました
- ✗ 会いました → ◎ お会いしました
- ✗ 見てください → ◎ ご覧ください
- ✗ 参考になりました → ◎ 勉強になりました
③ バイト敬語
コンビニや飲食店の現場で生まれた独特の言葉遣いです。なんとなく丁寧に聞こえるがビジネスシーンでは誤りとされます。
- ✗ 〜になります → ◎ 〜です/〜でございます
- ✗ よろしかったでしょうか → ◎ よろしいでしょうか
- ✗ 500円からいただきます → ◎ 500円お預かりします
- ✗ 了解です → ◎ 承知しました/かしこまりました
- ✗ ご苦労さまです → ◎ お疲れ様です
■ その他のNG例文
- ✗ ご用件は何でしょう → ◎ よろしければ私がご用件を承ります
- ✗ こちらが〇〇資料になります → ◎ こちらが〇〇の資料です
- ✗ おっしゃられることに → ◎ おっしゃることに
- ✗ 普通にいいと思います → ◎ 良いかと存じます
- ✗ 全然問題ありません → ◎ まったく問題ございません
- ✗ 私的にはこれがおすすめです → ◎ 私としましては、こちらをおすすめします
④ 若者言葉
面接官は友達ではありません。以下のような友達感覚の言葉は絶対に使わないようにしましょう。「マジですか」「ウケます」「めっちゃ」「〇〇っす」「的な」「みたいな」などは厳禁です。
★ 専門家からのアドバイス:敬語が少しぐらいおかしくても、企業側はそれほど気にしていません。むしろ、変に意識しすぎて何を言っているかわからない言葉になる方が問題です。固くなりすぎず、自分ができる範囲で丁寧に話すことを意識しましょう。
就活のメールや電話で気をつけたい敬語
メールの場合
ビジネスメールは「宛先・件名・宛名・挨拶・本文・締めの言葉・署名」の構成が基本です。
■ メール例文(面接日程の確認)
件名:(返信時は企業から届いた件名を変更しない)
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
先日は面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。
面接の日程についてご確認させていただきたく、ご連絡いたしました。
もし可能であれば、以下の日程でお願いしたいと考えております。
【候補日時】
1:〇月〇日(〇)〇〇時
2:〇月〇日(〇)〇〇時
3:〇月〇日(〇)〇〇時
お手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
〇〇大学〇〇学部 〇〇(氏名)
電話:〇〇-〇〇-〇〇〇〇
メール:〇〇@〇〇.com
電話の場合

電話をかける際はまず「お忙しいところ恐れ入ります」とクッション言葉を使い、続けて「〇〇大学の〇〇と申します」と自己紹介します。「〇〇様はいらっしゃいますか」など相手の状況を確認しながら言葉を選びましょう。相手の返答後は「かしこまりました」「ありがとうございます」を忘れずに伝えてください。
まとめ
正しく美しい言葉遣いは面接を突破する大きな武器になります。ただし、言葉遣いを気にしすぎるあまり、伝えたいことが伝わらなければ本末転倒です。志望動機や自己PRを声に出して練習し、自然な敬語で熱意をしっかり伝えられるよう準備しましょう。
◆ この記事のまとめ
- 敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類。自分の動作か相手の動作かで使い分ける
- 「御社」は話し言葉・「貴社」は書き言葉。一人称は「わたくし」が基本
- 二重敬語・学生敬語・バイト敬語に注意し、日頃から言い換えを意識する
- クッション言葉を活用すると、配慮ができる印象を与えられる
- 言葉遣いを意識しすぎず、自分の言葉で熱意を伝えることが最優先