就活で福利厚生を重視すべき理由|法定福利の種類・確認すべきポイントを解説

就職活動を進めるなかで「福利厚生」という言葉を耳にするようになった方も多いのではないでしょうか。

給与や職種と並んで、福利厚生は入社後の働きやすさに直結する重要な要素です。この記事では、福利厚生の基礎知識・重視すべき理由・就活で確認すべきポイントを解説します。

岩元翔

キャリアアドバイザーコメント

日本次世代企業普及機構 代表理事 岩元 翔

福利厚生は「あるかどうか」だけでなく「実際に使われているかどうか」が重要です。制度が整っていても利用率が低い企業は、実態として働きにくい環境である可能性があります。OB・OG訪問や口コミサイトで実態を確認することをおすすめします。

福利厚生とは?法定福利と法定外福利の違い

福利厚生とは、通常支払われる給与・賞与以外に会社から用意されている報酬・制度のことです。

企業は福利厚生を充実させることで、優秀な人材の採用・従業員の定着・安心して働ける環境づくりを目指しています。対象は正社員だけでなく、派遣・パート・アルバイトの方にも適用されるものがあり、本人だけでなく家族に還元される制度もあります。

◆ 福利厚生の2種類

法定福利
法律で企業が義務として負担しなければならない制度です。社会保険(雇用保険・健康保険・介護保険・労災保険・厚生年金保険)と子ども・子育て拠出金が該当します。

 

法定外福利厚生
法定福利以外の、企業が独自に設定する制度です。住宅手当・交通費・退職金・社員食堂・資格取得補助などが代表的です。企業によって内容が大きく異なるため、会社選びの重要な比較ポイントになります。

法定外福利厚生の種類一覧

  • 財産形成:住宅手当・交通費・退職金・確定拠出年金
  • 食事:社員食堂・カフェエリアの設置
  • 健康管理:健康診断・人間ドック・予防注射の無料化
  • 住宅:住宅手当・社員寮
  • 両立支援:育児・介護休業の法定を超える短時間勤務・休業制度
  • 休暇:リフレッシュ休暇・アニバーサリー休暇
  • 自己啓発:書籍購入補助・資格取得補助・セミナー参加費補助
  • 慶弔・災害:結婚・出産祝い金・勤続年数に応じた祝い金・災害見舞金
  • 余暇活動:スポーツジム費補助・ランチ・飲み会の費用補助
  • 働き方:リモートワーク・PC貸し出し・フレックスタイム制度
  • ユニークな制度:花粉症治療費補助・帰省費補助・シエスタ(昼寝制度)・推しメン休暇など

企業選びで福利厚生を重視すべき4つの理由

就活生のうちはあまり気にしないかもしれませんが、実際に働き始めると福利厚生の重要性に気づきます。以下の4つの観点から、福利厚生は企業選びの重要な軸になります。

理由① 働きやすさに直結する

たとえば東京での就職は、家賃が高く通勤距離が長くなりがちです。住宅手当があれば会社に近い場所に住める選択肢が広がり、時間・体力・コストの面で働きやすい環境を整えることができます。

理由② モチベーション維持につながる

社員食堂・カフェスペース・休憩室など、仕事の合間にリフレッシュできる環境は日々のモチベーションを維持するうえで重要です。保養所の利用や家族への還元制度があれば、プライベートの充実も仕事のパフォーマンス向上につながります。

理由③ 休暇制度・諸手当が長期的な生活を支える

法律で定められた有給休暇取得義務は年5日ですが、リフレッシュ休暇・特別休暇があれば長期休暇も可能になります。育休・看護休暇など、ライフステージの変化に対応できる制度の充実度は長く働くうえで非常に重要です。

理由④ スキルアップの機会が増える

資格取得費用の補助・書籍購入補助・セミナー参加費補助があるだけで、リスキリングや自己成長のハードルが大幅に下がります。

◆ 民間資格の資格手当の相場目安

  • ファイナンシャル・プランナー 1級・2級:1万円〜2万円
  • 日商簿記 1級・2級:3,000円〜2万円
  • 秘書検定 1〜3級:500円〜1万円
  • TOEIC 650点以上:3,000円〜2万円
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS):1,000円前後

就活で福利厚生を確認するときのポイント

福利厚生の内容は企業のホームページ・採用ページ・就活サイトで確認できますが、実際に使われているかどうかも重要です。

◆ 福利厚生を確認する際のポイント

  • 制度が「ある」だけでなく「実際に利用されているか」を確認する(OB・OG訪問・口コミサイトを活用)
  • 自分のライフプランに合った制度が充実しているかを基準にする
  • 育休・リモートワーク・資格補助など、将来の自分に必要な制度を事前に絞り込んでおく
  • 大企業だけでなく中小企業にも充実した福利厚生を持つ会社は多い

! 面接・逆質問での聞き方に注意

面接で福利厚生についてのみ質問すると「待遇面しか見ていない」という印象を与えてしまうことがあります。福利厚生について聞く場合は、「長く働くための環境を理解したい」という文脈で質問するのがおすすめです。例:「育児休業や在宅勤務制度の利用実績はいかがでしょうか?」

まとめ

◆ この記事のまとめ

  • 福利厚生とは給与・賞与以外に会社から提供される制度・報酬のこと
  • 法定福利(社会保険など)と法定外福利(住宅手当・資格補助・特別休暇など)の2種類がある
  • 就活で重視すべき理由は「働きやすさ」「モチベーション」「休暇・手当」「スキルアップ」の4つ
  • 制度が「ある」だけでなく「実際に使われているか」を確認することが重要
  • 面接では「長く働きたいから知りたい」という文脈で福利厚生について質問する

福利厚生は給与の引き上げより安定していることが多く、長期的な観点でも重要な要素です。企業研究の際には、福利厚生の内容も積極的に調べてみましょう。

   
運営者情報

日本次世代企業普及機構 代表理事岩元 翔

東証1部上場企業の求人広告会社にて新卒・中途採用のコンサルティング業務を学び、その後ITベンチャー企業にて自社採用業務、教育業務に従事。2020年には一般財団法人日本次世代企業普及機構の代表理事に就任。これまでの経験、実績を活かし、経営者や従業員にとって道しるべとなる「ホワイト企業指標」を作り上げた。