目次
就職活動において、自分がどのような仕事を志望するのか、またはどのような会社に就職したいのか、方向性を決めていく必要性があります。就職活動を始める初期段階は大抵の人は大企業のTVCMなどで知っている会社や消費者側で扱っていた会社などから得た漠然としたイメージで業界知識としていると思います。
業界研究とは、様々な業界に関する情報を収集し、過去から近年への変化と未来に向けての展望を含めた特徴を理解することです。就職活動を始めるまでは日本のみならず、世界中にどのような企業があり、どんな事業を行っているのか漠然としたイメージのみで、理解が出来ていない人も多いのではないでしょうか。
就活を始めるには、まずはどんな業界があるのか調べることからがスタートです。
業界研究を始めると、これまでの自分が知っていた業界の範囲は狭いものであったりすることに気付くと思います。そして、調べた中で自分自身が特に興味を持った業界について、さらに深く掘り下げていくことで意欲や興味が増えていきます。
例えば、メーカー業界において、素材系から機械、金属、自動車、印刷、繊維など多くの分野に分かれています。業界ごとに違った特徴があり、マーケット規模や将来の発展性など知っておくべき事柄は非常にたくさんあります。自分が志望する企業の業界のみを絞り込んで研究をすることは選択肢を狭くします。志望する業界以外の展望と合わせて幅広く情報を収集することで視野が広がります。このように、業界研究は就活において自己分析や企業研究と並んで重要な作業だといえるのです。
就職活動で志望企業を見つけるには、世の中にはどのような業界があるか広く知識を得る必要があります。業界研究で主要業界について調べて知り、その結果から自分の価値観に合う業界や志望する方向性を明確化していきます。
業界研究から得られる効果は、今まで知らなかった業界について幅広く知ることができるため、志望対象が広がることや、業界について正しく理解できることです。業界によっては、一般的なイメージと実際の事業内容と違っていることもあります。業界について正しく知っていれば、「自分のやりたいことと事業内容が異なっていた」というミスマッチを減らすことができます。また、就職活動では人が面接で判断するので「相性」という要素が内定に左右されます。特に日本企業は「優秀さ」という基準でなく、「自社にとってマッチする人材か」という着眼点で選考評価をしているため、「相性」の“良し悪し”が生まれます。自分自身の企業選択の軸をベースとした業界研究では、それに合致した業界が生まれつつ分析することになるため、「この業界しか志望しない」という志望動機となることを避けられます。
志望動機の重要な要素として、「他業界ではなくて、なぜこの業界を志望しているのか」という項目があります。面接官が気になる項目に対して自分の意見として明確で正しい業界の繋がりを考慮し業界比較をしていくことは、志望動機の練度が高まっていくこと繋がります。例えばものづくりの製造業(メーカー)の場合で「ものづくりに携わりたいから製造業(メーカー)のみを志望しています」と面接で述べるのは志望度の高さというより、業界研究の浅さを露呈しているようなものであり、「製造業(メーカー)の他にも商社(総合/専門)も志望している結果として製造業(メーカー)の方が志望度が高い」と述べる方が説得力のある志望動機になります。
業界研究は内定獲得の手段としてだけでなく、入社後にも効果を発揮すると考えています。
業界全体の知識とビジネスモデルの流れを理解しておくことは、入社後のミスマッチ軽減に繋がります。その企業の特徴やビジネスモデルを理解せず入社してしまうと実際は新規開拓営業を課題としている企業に対し「著名企業で厳しいノルマはなく営業ではない」という間違った解釈をして、思っている仕事内容やイメージとかけ離れる等のモチベーションギャップを生じて就活生・企業側の双方にとってのデメリットが大きくなります。
転職をする際にも、就職活動中に受けていた業界の知識が活きてくるので、新卒採用における就職活動は効率的に業界知識を得れる格好の機会となります。
ここでは、業界研究をする際に必ず押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
世界は今、これまでにないスピードで変化を続けています。その変化の中で、企業は多くのビジネスモデルから成り立っているため、会社の全体像をすぐに把握するのは容易なことではありません。
就活において、まずは企業の「ビジネスモデル」を理解しなければ選考を突破することはできないでしょう。
これは「サービス内容とお金の流れを理解する」ということです。つまり、どこにサービスを販売して、どこから利益を得ているのかを理解するということです。
そこで「業界」という区分に分けることで、世の中を構成している要素と関係性がわかりやすくなります。そして、業界から企業へと研究の対象を移していくことで今後の業界全体の成長性を考える上での参考となります。
業界別の特徴やどのようなサービスがあるのかを理解しておくと、企業間の関係や立ち位置が理解しやすくなります。
具体的には同業他社などや、競合との差別化やポイント、シェア率など業界の特徴を深掘りしていきます。顧客の形態はBtoBかBtoCなのかといったように、その業界を特徴づけるポイントを探していきましょう。業界の代表的な企業と企業ごとの違いや特徴を把握しておくことは必須ですので最低限の知識として持っておきましょう。
また、業界の最近話題になったトレンドニュースなどは必ず押さえておかないと面接時に質問が来た時に回答できません。時事問題などはチェックして予習をする癖をつけておきましょう。
業界の今後のマーケット(市場)成長が予想できます。業界の動向の分析は、未来の安定性や成長性を把握し、将来のキャリア形成について考えるためにも重要なポイントです。業界のマーケット(事情)や成長率に関するデータをあらゆる資料を駆使して参照しながら動向を分析すると良いです。この時、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの面から業界を分析するマーケティングを取り入れた「PEST分析」という手法が非常に役に立ちます。業界の動向を多角的に捉え、情報を整理して成長性を測っている参考記事や参考書なども出てますので活用していくことをおすすめします。 これらのポイントを押さえて業界研究を行えば、自己分析と照らし合わせながら自分自身の志望する企業を絞り込んでいくことが出来ます。
業界研究は、ただ単に業界について知識や理解を深めるだけのものではありません。業界研究を行った上で、個別の企業研究を行う、業界内での役割や立ち位置を理解しておくことは、正しい企業理解につながります。
業界研究は、就職活動の重要なステップですので、時間をかけて十分に行いましょう。自己分析と一緒に進めていくと、より自分の進むべき道をはっきりとさせることができます。