
求人票や企業情報で「くるみんマーク」を見かけたことはありますか?くるみん認定は、仕事と子育ての両立支援に積極的な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
結論、くるみん認定は3種類(トライ・くるみん・プラチナ)+プラス認定で構成され、男性育休取得率や女性の継続就業率など10項目の基準を満たした企業が取得できます。育児・産休・ワークライフバランスを重視する就活生・転職者にとって企業選びの重要指標です。本記事では、くるみん認定の全体像・3種類のマーク詳細・10項目の認定基準・取得企業数推移・就活活用5STEP・面接逆質問例・他認定制度との比較・Q&A 13問まで、認定機関の視点から徹底解説します。
日本次世代企業普及機構 代表理事
岩元 翔
累計3,625社以上を審査し、650社以上を認定してきました。くるみんマークは「仕事と子育ての両立」に特化した制度で、企業選びの一つの目安として有効です。ただしくるみん認定は子育て1領域のみの評価のため、「給与」「労働時間」「人材育成」などを総合的に見るには、ホワイト企業認定など複数の認定マークと組み合わせて確認するのがおすすめです。
📋 この記事でわかること
📎 関連記事:企業の認定制度・認定マーク一覧|ホワイト企業を見分ける求職者ガイド
📎 ホワイト企業認定:ホワイト企業認定とは|7つの認定基準と就活・転職での活用方法
目次
くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき、仕事と子育ての両立に関する行動計画を策定・実施し、一定の基準を満たした企業が「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から認定を受ける制度です。
2007年に設立され、出産後も女性が仕事を続けやすい環境を企業が整備することで、長期にわたって活躍できる社会の実現を目的としています。「くるみん」という名称は、赤ちゃんを優しく包み込む「おくるみ」と「企業ぐるみで仕事と子育ての両立を支援していく」という意味が込められています。
🎯 くるみん認定が生まれた背景
少子高齢化への対応
2003年制定の次世代法は、急速に進む少子化対策の一環。育児休業・短時間勤務など働く親への支援拡充が目的
女性の就業継続支援
出産・育児を機に離職する女性が多い日本の現状を改善。継続して働ける制度設計を促進
男性育休取得の推進
男性の育休取得率を高めることで、女性に偏りがちな育児負担の解消を図る
くるみん認定には大きく3種類のマークがあり、取り組みの水準によって区分されています。また、不妊治療との両立に特化した「プラス認定」もあります。
🏅 くるみん認定 3種類+プラス認定
🟢 トライくるみんマーク(入門)
2022年4月新設。くるみん認定の基準より緩和された水準で、子育て支援に取り組み始めた企業が対象。
▶ 男性育休取得率7%以上 / 旧くるみん基準を継承
🔵 くるみんマーク(基本)
子育てサポート企業の標準認定。10項目すべての基準をクリアした企業に付与されます。
▶ 男性育休取得率10%以上 / 女性育休取得率75%以上
🟠 プラチナくるみんマーク(最上位)
くるみん取得後、さらに高水準の取り組みを継続する企業に与えられる最上位認定。「子育て×女性活躍」両軸が評価されます。
▶ 男性育休取得率30%以上 / 女性継続就業率90%以上
🟣 プラス認定(2022年新設)
トライ・くるみん・プラチナのいずれかに加え、不妊治療と仕事の両立支援に関する基準を満たした企業に付与される追加認定。
▶ 不妊治療休暇制度・両立支援担当者の選任など
💡 マークの読み方:マーク上部の年数は最新の認定年、左右の星の数は認定回数を表しています。星の数が多いほど長期にわたって継続的に子育て支援に取り組んでいる企業です。
くるみん認定を取得するには、10項目すべての基準を満たす必要があります。それぞれの内容を見ていきましょう。
📋 くるみん認定の10項目
行動計画の策定・届出
2年〜5年の一般事業主行動計画を策定し都道府県労働局に届け出
行動計画期間の終了
計画期間が終了し、計画通りに目標達成していること
男性の育休取得率
トライ:7%以上 / くるみん:10%以上 / プラチナ:30%以上
女性の育休取得率
3種類共通で75%以上
月平均の法定時間外労働
45時間未満であること(全社員平均)
月60時間以上の時間外労働者なし
過労死ライン超えの長時間労働者がいないこと
3歳から小学校就学までの子を持つ社員への措置
短時間勤務・フレックスタイム・所定外労働の制限など、いずれかの措置を講じていること
育児休業を取得しやすい雰囲気の醸成
育児休業に関する研修・周知活動など、組織全体での取り組み
法律違反がないこと
労働関係法令に違反する重大な事実がないこと
プラチナくるみん追加基準
女性継続就業率90%以上+女性のキャリア形成支援の取り組み
詳細な認定基準の全文は、厚生労働省の公式パンフレットでご確認いただけます。
くるみん認定は年々取得企業が増加しており、企業の子育て支援の重要性が高まっていることを示しています。
📈 認定企業数の目安(2024年時点)
くるみん認定
累計約4,500社以上(2024年時点・厚生労働省発表)
プラチナくるみん認定
累計約650社以上(取得難易度が高く希少)
トライくるみん認定
2022年新設で増加傾向(中小企業中心)
📊 業界別の取得傾向
くるみん認定を取得した企業には、国からのインセンティブと社会的評価の両面でメリットがあります。求職者として知っておくと、企業の本気度を測る指標になります。
🎁 認定企業の主なメリット
① くるみんマークの使用権
商品・広告・名刺・求人票に表示可能。ブランド価値・採用力の向上に
② 公共調達での加点(プラチナくるみん)
国の総合評価落札方式・企画競争入札で加点評価される(女性活躍推進と合算)
③ 厚生労働省サイトでの公表
「両立支援のひろば」サイトで認定企業として一覧公表される
④ 採用力・離職率の改善
育休制度の充実が広く認知され、結婚・出産後の離職率低下に直結
くるみん認定を企業選びに活用する際の具体的な5ステップを紹介します。
「両立支援のひろば」で認定企業を検索
厚生労働省運営の「両立支援のひろば」で業界・地域・認定種別から認定企業を検索可能
マークの種類・星の数・認定年を確認
プラチナ>くるみん>トライの順で水準が高い。星が多く認定年が新しいほど継続性が高い
企業の行動計画を読む
同サイトで認定企業の行動計画が公開されている。具体的な目標・取り組み内容を確認
他の認定マークと組み合わせて確認
えるぼし・健康経営・ホワイト企業認定などと組み合わせると企業の総合力が見える
面接で具体的な実態を質問
「実際に育休取得している方の割合」「復職後のキャリア事例」を逆質問で確認
くるみん認定を取得している企業に応募する場合、面接で具体的な実態を確認する逆質問をすると、企業研究の深さをアピールできます。
💬 逆質問例①
「貴社がプラチナくるみん認定を取得されているとのことで、男性の育休取得率が30%以上と伺いました。実際に取得されている方の平均取得期間はどの程度でしょうか?」
💬 逆質問例②
「育休取得後の復職率と昇進率について教えていただけますか?また、育休復帰された方が活躍されている事例があればお聞きしたいです。」
💬 逆質問例③
「現在の行動計画期間が終了した後、次の段階としてプラチナくるみん認定の取得を目指す計画はありますでしょうか?」
💡 ポイント:「育休はありますか?」とだけ聞くと「制度はある(運用は別問題)」と答えられがちです。具体的な数字・期間・事例を聞くことで企業の本気度がわかります。
くるみん認定は「子育て支援」という1領域に特化した制度です。企業の総合力を判断するには、複数の認定制度を組み合わせて見るのが効果的です。
⚖️ 主要認定制度の比較
🔵 くるみん認定(本記事)
評価領域:子育て支援(1領域)
運営:厚生労働省
こんな人におすすめ:育児・産休重視で就職先を選びたい人
🟠 えるぼし認定
評価領域:女性活躍推進(1領域)
運営:厚生労働省
こんな人におすすめ:女性のキャリア形成・管理職登用を重視する人
🟢 健康経営優良法人
評価領域:従業員の健康管理(1領域)
運営:経済産業省
こんな人におすすめ:長く健康に働ける環境を求める人
🟣 ユースエール認定
評価領域:若者の採用・育成(1領域)
運営:厚生労働省
こんな人におすすめ:若手のうちから成長できる環境を求める人
🏆 ホワイト企業認定
評価領域:7領域すべてを総合評価(ビジネスモデル/ワークライフバランス/働き方の柔軟性/健康経営/人材育成/ダイバーシティ/リスクマネジメント)
運営:日本次世代企業普及機構(当機構)
こんな人におすすめ:「総合的にホワイトな会社」を選びたい人
🆚 くるみん vs ホワイト企業認定
📋 評価項目の数
くるみん:10項目(子育て中心) / ホワイト企業認定:70項目以上(7領域)
🎯 評価範囲
くるみん:子育て支援に特化 / ホワイト企業認定:給与・労働時間・人材育成など総合
⏱️ 認定期間
くるみん:取得後永続(再申請なし) / ホワイト企業認定:2年ごとの更新審査で鮮度を担保
💡 活用シーン
くるみん:育児ライフを重視する人 / ホワイト企業認定:総合的にホワイトな会社を探したい人
💡 認定機関の視点:くるみん認定は子育て支援の指標として有効ですが、「給与水準」「キャリアアップ」「社員の満足度」などは別の指標で確認する必要があります。複数の認定マークを組み合わせて使うことで、企業の全体像が見えてきます。
📎 認定制度の総合ガイド:企業の認定制度・認定マーク一覧
📎 ホワイト企業認定の詳細:ホワイト企業認定とは|7つの認定基準と就活・転職での活用方法
📎 えるぼし認定:えるぼし認定とは?就活・転職で役立つ見方と基準を解説
くるみん認定は便利な指標ですが、「認定があれば必ず良い会社」とは限りません。以下のような限界・注意点があります。
⚠ くるみん認定の限界・注意点
注意1:子育て支援の評価のみで、給与・労働時間全般の評価は限定的
注意2:制度はあっても運用実態(取得しやすい雰囲気)は別問題
注意3:過去の取得実績ベースのため、現在の状況とは乖離している場合あり
注意4:認定取得後の再評価・更新審査がないため、制度劣化のリスクあり
注意5:独身者・子供を持つ予定がない人にはメリットが限定的
複数の認定マークを組み合わせる
1つの認定だけでは判断材料として不十分。総合的なホワイト度を見るならホワイト企業認定など総合評価型認定と組み合わせる
口コミサイトで実態を確認
OpenWork・転職会議など現役社員の口コミで、認定が形骸化していないかチェック
面接で運用実態を直接質問
「実際に育休取得している方の割合」「復職後のキャリア事例」など、具体的な数字・事例を逆質問で確認
Q1. くるみん認定はどこで確認できますか?
厚生労働省の「両立支援のひろば」サイトで認定企業を一覧で検索できます。企業の採用ページや求人票でもくるみんマークが表示されているケースが多いです。
Q2. くるみんとプラチナくるみんの違いは?
プラチナくるみんはくるみん取得後にさらに高水準の取り組みを継続する企業に与えられる最上位認定です。男性育休取得率30%以上(くるみんは10%以上)・女性継続就業率90%以上などの厳しい基準があります。
Q3. トライくるみんはいつから始まった?
2022年4月から新設されました。中小企業や子育て支援に取り組み始めた企業向けに、くるみん認定より緩和された基準で取得できる入門認定です。
Q4. プラス認定とは何ですか?
2022年4月新設の追加認定で、不妊治療と仕事の両立支援に取り組む企業に付与されます。トライ・くるみん・プラチナのいずれかに加える形で「くるみんプラス」「プラチナくるみんプラス」のように表示されます。
Q5. くるみん認定の有効期限はありますか?
くるみん認定自体に明確な有効期限はありませんが、プラチナくるみんは毎年「特例認定取り消し」の審査があり、基準を満たさなくなった場合は取り消しになります。
Q6. くるみん認定があれば必ずホワイト企業ですか?
必ずしもそうとは限りません。くるみん認定は子育て支援1領域のみの評価のため、給与・労働時間全般・人材育成などは別途確認が必要です。総合的なホワイト度を見るならホワイト企業認定など7領域を評価する認定と組み合わせて確認しましょう。
Q7. 認定を取得していない企業は子育て支援が弱いですか?
そうとは限りません。認定の申請にコスト・労力がかかるため、優れた制度があっても申請していない企業もあります。認定の有無だけで判断せず、企業のIR資料や説明会で実態を確認しましょう。
Q8. 男性ですが、くるみん認定企業を選ぶメリットはありますか?
大いにあります。プラチナくるみんは男性育休取得率30%以上が必須条件のため、男性も育休が取りやすい企業です。共働き家庭が増える現代では、男性にも重要な指標です。
Q9. くるみんマークの星の数はどう数える?
マークの左右にある星(★)の合計数=認定回数です。例えば★★★★★(両側に5つずつ)のマークなら10回連続で認定を取得していることを意味し、長期にわたって制度が定着している証です。
Q10. 中小企業もくるみん認定を取得できる?
取得可能です。むしろ2022年新設のトライくるみんは中小企業向けの基準で設計されています。労働者数100人以下の企業向けに別の基準も用意されています。
Q11. 認定企業の検索方法を教えてください
厚生労働省運営の「両立支援のひろば」で、業界・地域・認定種別から認定企業を検索できます。企業の行動計画書も同サイトで閲覧可能なので、具体的な取り組み内容も確認できます。
Q12. くるみんマークがあるけど離職率が高い企業を見たことがあります
くるみん認定は「子育て支援」のみの評価のため、独身社員の労働環境・若手の離職率は評価対象外です。離職率や年収満足度は別途、口コミサイトや有価証券報告書で確認するのがおすすめです。
Q13. 認定取得後に基準を満たさなくなったらどうなる?
プラチナくるみんは毎年の自己評価報告が義務付けられており、基準を満たさない場合は認定取り消しの可能性があります。一方くるみん・トライくるみんは取得後の自動的な再審査はありません。
📌 この記事のまとめ
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