カジュアル面談とは、企業が求職者に対して自社の魅力を伝えたり質問に答えたりして、相互理解を深めるために設ける場です。面接とは別物であり、基本的には選考にも影響しないといわれています。
「カジュアル」という名称の通り、リラックスした雰囲気で進むため、求職者にとっては企業の従業員と気軽に話せる良い機会です。しかし、気軽にといわれても何を質問すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カジュアル面談でよく聞かれる質問や聞いておきたい逆質問、最低限押さえておくべきポイントなどについて解説します。
目次
まずは、カジュアル面談でよく聞かれる質問の回答例を5つ紹介します。
私がプログラミングを学び始めたきっかけは、中学生のときに○○というアプリを使い、その便利さに感動したためです。
御社では○○というサービスを提供されていますが、利用者目線が徹底された非常に使いやすいサービスだと思います。
ITや機械などを苦手とする私の母でも使いこなせていました。私もあのような老若男女問わず使いやすいサービスの開発に携わりたいと思っています。
学生時代は友人と協力して、アプリ開発に取り組みました。○○に不便さを感じている人が多いことに着目し、それを解決する○○の機能があるアプリを開発してリリースしました。
また、アプリを開発するにあたり、より良い環境を整えたかったので、PCなどの購入費のためにアルバイトにも力を入れました。飲食店で働いていたため、コミュニケーション能力が向上したと思います。
プログラマーはチームで動くことが多いと思いますが、アルバイトで身に付いたコミュニケーション能力を活かしてチームに貢献したいと思っています。
私の就職活動の軸は、プログラミングスキルを活かせること、大きなプロジェクトに携われることの2点です。ずっとプログラミングの勉強を続けてきたので、それを活かせる仕事をしたいと思っています。
また、多く人の役に立つサービスを生み出したいと考えているため、大規模なプロジェクトを手掛けているかどうかも重視しています。
また、新たなサービスや事業が軌道に乗ったときの達成感は、仕事へのモチベーションややりがいにつながると考えているからです。
御社は全従業員が新規サービスや新規事業のプレゼンができる制度があるため、私の希望に適している企業だと思いました。
カジュアル面談では、最後に企業に対して何か質問がないか、逆質問の時間が設けられるのが一般的です。
選考とは関係がなく、評価を意識せずに気になることを聞けるまたとない機会です。せっかくなので、自身と企業のマッチ度を測るのに役立つ質問をしてみましょう。
ここでは、カジュアル面談で聞いておきたい逆質問を4つ紹介しますので、何を聞くべきか悩む方は参考にしてみてください。
仕事内容を知りたい場合は、以下のような質問をすると良いでしょう。
・私はプログラミングを独学しましたが、そのスキルを活かせる業務はあるでしょうか
・仕事をしていて、どのようなときにやりがいを感じますか
・仕事で大変だと思うこと、つらいと感じる瞬間はありますか
・○○株式会社の従業員の立場から見て、事業の強み・弱みは何だと思いますか
・1日の業務の流れを教えてください
・業務時間内に仕事が終わらないことはありますか
組織風土が合わないと「働きづらい」「退職したい」と感じやすくなります。次のような質問で、自分の希望を合うかをチェックしましょう。
・社内の雰囲気がわかるエピソードがあれば教えてください
・どのようなバックグラウンドをもつ方が多いでしょうか
・○○部に配属された場合、どのような方が上司になりますか
・飲み会や交流会は頻繁に開催されますか
・社内で活躍されている方の特徴があったら教えてください
会社のビジョンについて知りたいときは、以下のような質問をするのがおすすめです。
・御社のビジョンは○○とのことです。 そのビジョンはどの程度社内に浸透しているでしょうか
・差し支えなければ3年後、5年後とどのようにビジョンが変わっていくかを教えてください
・業務に取り組むときに、ビジョンを意識する場面はありますか
・ビジョンを反映した事業について教えてください
・企業のビジョンと○○さん(担当者)のキャリアビジョンはどの程度一致していますか
次のような質問をすると、入社後のキャリアについて確認できます。
・○○部で働きたいと思っているのですが、入社までに身に付けておくと良いスキルや知識はありますか
・将来的に○○を目指したいと考えています。御社の評価制度や昇進制度について教えてください
・現在○○の業務で活躍されている方の特徴や共通点はあるでしょうか
・入社後に○○の資格を取得したいと考えています。資格取得のサポート制度などはありますか
・○○と△△の2つの分野に興味があります。○○部に配属された後に△△のほうが適正があると感じた場合、配置転換は可能でしょうか
カジュアル面談は比較的気軽なものではありますが、何の準備もせずに参加すると、特に得るものがなく終わる可能性があります。
そのため、事前準備を徹底することが大切ですが、何を準備したら良いのかわからない方もいるかもしれません。そこで、カジュアル面談を受ける際にしておきたい事前準備を紹介します。
カジュアル面談は面接ではないものの、事前の企業研究は欠かせません。企業に関する知識がないままカジュアル面談に参加しても何を話せば良いかわからず、お互いに時間の無駄になってしまうためです。
企業のホームページや就活四季報などを見て、企業が求める人物像や事業内容、理念、ビジョンなどを把握しておきましょう。最近はSNSを活用している企業が多いので、企業の公式アカウントをチェックするのもおすすめです。
入念に下調べした上でカジュアル面談に臨めば、自社への理解が深く熱心な求職者として、良いイメージをもたれるでしょう。
カジュアル面談は、自分と企業がマッチしているかどうかを確認できる良い機会です。しかし、自分が何を求めるのかがわかっていないと、マッチ度が確認できません。就職活動を始める前に、自分の就活の軸を明確にしておきましょう。
何を軸に就活を進めるかがわかっていれば、カジュアル面談で有意義な質問ができるため、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。就活の軸の作り方で迷う場合は、次のように大枠を決めてから深掘りしていくと良いでしょう。
・業界→IT業界、広告業界
・職種→プログラマー
・職場の雰囲気→風通しが良い、新しいことにチャレンジできる
・働き方→リモートワーク可、転勤がない
就活の軸とは、いわば「自分の希望・価値観」です。カジュアル面談だけでなく、今後の就活でも役立つものなので、しっかりと考えてみましょう。
事前に質問したい内容をまとめておくことも重要です。その場で考えようとしても思いつかなかったり、たどたどしくなって焦ってしまったりする可能性が高いためです。
就活の軸をもとに自分と企業のマッチ度を測れる質問を考え、ノートなどにメモしておきましょう。このとき「職場の雰囲気について」「働き方について」のように、項目別に分類しておくとスムーズに進められます。
カジュアル面談は選考に影響しないといわれていますが、企業によってはカジュアル面談の内容が選考に反映される可能性があります。
そのため、最低限のマナーは守ることが大切です。ここでは、カジュアル面談を受ける際に押さえておきたいポイントを3つ解説します。
カジュアル面談は面接よりもリラックスした場ではありますが、友達のように接して良いわけではありません。常に丁寧な言葉遣いと態度を取るよう心がけましょう。特に「~っす」のようなくだけすぎた話し方はNGです。
また、「伺わせていただきました」「お読みになられる」などの二重敬語や、自分のことについて「お聞きになりました」などという、尊敬語・謙譲語の混在表現にも注意しましょう。
カジュアル面談は服装自由という企業も多々あります。しかし、言葉遣いと同じく、くだけすぎた服装もNGです。基本は清潔感のあるオフィスカジュアルで、ジャケットを着用すると良いでしょう。
ただし、IT系の企業の場合は、「TシャツとジーンズでもOK」など本当に服装自由なケースもあります。何を着るべきか不安を感じるようなら、企業の担当者に服装の基準を確認し ましょう。
カジュアル面談はあくまでも企業と求職者の交流の場という位置づけであり、選考ではありません。選考に影響するかもと過度にアピールするのは避けましょう。
特に「カジュアル面談と選考は無関係」と明言している企業のカジュアル面談でアピールしすぎると、目的を正しく理解していないとして、かえって印象が悪くなるおそれがあります。
企業の担当者と会話するときや逆質問するときは、できるだけ簡潔かつわかりやすく伝えることが大切です。自分にはそのつもりがなくても、自分の強みや希望、過去のエピソードなどを話しすぎるとアピールしていると捉えられることがあるので注意しましょう。
カジュアル面談は、面接では聞けないこと聞けるまたとない機会です。有意義なものとなるように、企業研究をしたり逆質問を考えたりと、事前準備を徹底した上で臨みましょう。