就活で提出する履歴書の学歴欄は、書き方のルールがいくつかあります。適切な書き方をしていないと、マイナスの印象を持たれてしまったり、学歴詐称を疑われたりする可能性もあるため、不安な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、新卒の履歴書における学歴欄の書き方について、具体例を交えて解説します。留年や留学、編入などがあるケースも紹介しているので、注意点とあわせて参考にしてください。
目次
履歴書の学歴欄は、これまでの経歴や学んできたことを示す役割がある重要なものです。また、採用担当者が応募者に接触する最初の資料のひとつでもあるため、ルールにしたがって正確に書く必要があります。
まず、新卒の方が履歴書を書く際の、学歴・職歴欄の正しい書き方の基本を解説します。
学歴・職歴欄は年月の記入が必要です。
年月は、応募先の企業から指定がない限り和暦と西暦のどちらで書いても問題ありませんが、履歴書および応募書類全体で統一する必要があります。
学歴・職歴欄だけでなく、記入日や生年月日の記載とも揃えてください。
和暦・西暦が混在すると時系列がわかりにくいだけでなく、採用担当者に「細かい配慮ができない人物だ」というマイナスの印象を与えてしまうため、気を付けましょう。
なお、和暦を使用する場合は年号を間違えないようにしてください。和暦であっても、年月の数字は漢数字ではなく、算用数字を使用します。
学歴は、最初の行の中央に学歴と記入し、次の行から記入を始めます。
新卒の履歴書では、中学校卒業から古い順に、時系列に沿って記入します。高校以降は入学と卒業の両方を記入してください。
【記入例】
基本のルールとして、学校名は省略せず、正式名称を使用します。例えば、中学は「中学校」、高校は「高等学校」とします。
また、上のように、公立の場合は「○○県立」など運営主体を、私立の場合は「私立」を学校名の前につけます。私立の学校法人名の記載は不要です。高校でも学科・コースが設置されている場合には、すべて記入しましょう。
学校名と入学や卒業の間は、視認性を高めるために1文字空白を設けます。
高校以降は入学と卒業が連続することになりますが、学校名は「同上」のように略さないようにしましょう。
中等教育学校の場合は、前期課程が中学、後期課程が高校に相当するため、「中等教育学校 前期課程卒業」「中等教育学校 後期課程入学」「中等教育学校 後期課程卒業」と記載します。
大学は、学部・学科まで、大学院は修士課程・博士課程まで記入します。正式名称を使用しなければならないため、学部・学科名が長くなる場合も省略してはいけません。一行に収まらない場合は、適宜改行してください。
なお、予備校や大学在学中のダブルスクールは学歴欄には記入しません。認可を受けた専門学校であれば、学歴として記入可能です。
新卒の就活では、在学中に履歴書を提出します。そのため、現在通っている学校はまだ卒業していないことになるため、学歴は学校名の後ろに「卒業見込み」と記入するのが正しい書き方です。大学院や専修学校の場合は「修了見込み」となります。
「卒業」とは学校のすべての課程を終えたこと、「修了」とは指定された課程を終えたことであるため、混同しないようにしましょう。
なお、新卒の就活の履歴書では、学校に在籍しながら働くときに使う「在学中」や、卒業が確実ではない「卒業予定」は使用しません。卒業までの単位が取得できており、入社年の3月に卒業できる状態を意味する「見込み」を使用します。
なお、「卒業」のみで「見込み」を記載していないと不適切な書き方となる上、年月が未来であっても既卒と間違われる可能性があります。記載を忘れないようにしましょう。
学歴を書き終えたら、一行あけて中央に「職歴」と記入し、次の行から内容を記入するのがルールです。
職歴欄は、新卒で正社員・契約社員としての就労経験がない場合は、「なし」と記入します。職歴がないから「職歴」の項目を設けず学歴のみを記載するのは誤りです。
なお、新卒の履歴書では、職歴にアルバイトやインターンシップは含みません。これらの経験をアピールしたいときは、自己PR欄を使用します。
学歴と職歴をすべて書き終えたら、右端に「以上」と記載します。「以上」と記載することで、この先に記載すべき内容がないことを採用担当者に伝えられます。
また、最後に「以上」をつけることで、書き足しなどの改ざんを防止する役割もあります。「以上」を記入したあとに追加すべき事項に気付いたら、書き直しが必要です。
履歴書の学歴欄の入学年・卒業年は正確に記入しなければなりませんが、日常的に触れる機会はあまりないため、記憶していない方もいるでしょう。
入学・卒業年度を確認するには、下記の一覧表を確認してみてください。
履歴書の学歴欄の書き方の基本を紹介してきましたが、留年や留学、編入などを経験し、入学・卒業年がイレギュラーになる場合の学歴欄はどのように書いたら良いのか迷う方もいるでしょう。
ここからは、イレギュラーなケースについて、パターン別に書き方を紹介します。
浪人や留年をした場合、学歴に期間が空いたり在籍年数が長くなったりするために、履歴書の記載が不自然にならないか心配な方もいるでしょう。
浪人や留年は、学歴に記入する必要はありません。高校卒業と大学入学の間に期間があれば浪人している、在学年数が既定よりも長い場合は留年していると考えるのが一般的だからです。
浪人や留年がある場合には、入学・卒業年度がずれるため、誤りがないように正しく記載しましょう。不利になるのではと考えて、虚偽を記載してはいけません。学歴詐称となり問題になります。
在学中に1年以上海外の学校に正規留学・交換留学した場合には、その事実が明確になるように、期間と国名、学校名、学部を併記します。
例えば、大学在籍中に留学した場合には、以下のように記載します。外資系企業の場合をのぞき、カタカナ表記で問題ありません。
【記入例】
なお、1年未満の留学や正規留学・交換留学以外の留学は海外研修の扱いであり、学歴には記入できません。応募先の企業にアピールしたい場合には、自己PRを利用してください。
海外インターンやワーキングホリデー、ボランティアへの参加や、短期留学、病気や家庭の事情で大学を1年以上休学した場合は、留年と区別するために休学について記載します。下記のように、理由を簡単に併記してください。
【記入例】
病気療養の場合には、就業に支障がないことを示すために「現在は完治」を書き添えます。病気の内容について詳しく記載する必要はありません。
【記入例】
転校や転入、編入は省略語のため、転入学・編入学と正式に記入します。
転入学は、通っている学校に在籍した状態で、空白期間なくそのまま同種類の学校に籍を移ることです。高校から高校、大学から大学などが該当します。
編入学とは、通っている学校を退学もしくは卒業し、別種類の学校の2年次や3年次に入学することです。専門学校や短期大学を卒業後に、取得済み単位を活用して大学に進学することを指します。
ただし、大学によっては編入と転入が明確に区分されていないケースもあります。そのため、大学入学後別の大学に転入した場合でも、編入学とすることが多くなっています。
なお、履歴書の学歴では、同じ学校内で転部・転科をした場合にも転学部・転学科とせず、編入学として構いません。編入学をした場合には、下記のように記載しましょう。
【記入例】
「退学」や「中退」は省略語のため、「中途退学」と正式な記載を使用します。記入の横や下の欄に、簡単に理由を併記します。
【記入例】
学校への在籍が短期間であったとしても、中退したことを省略するのは、学歴詐称となります。漏れなく記載しましょう。
なお、中途退学は年の途中となることもあるため、正確な年月を記入するようにしてください。
履歴書を記入する際には、学歴欄をはじめ全体を確認し、間違いや不適切な記載がないかを確認する必要があります。その中でも、特に注意すべきポイントを紹介します。
履歴書の記載内容に誤字や脱字があると、下記のようにマイナスに捉えられる可能性があります。
・詰めが甘い
・細かい部分に注意を払えない
・自社の志望度が低い
・集中力に欠ける
履歴書で重要なのは内容であり、わずかな誤字脱字であれば問題ない場合もありますが、企業の採用方針や採用担当者によっては、選考にも影響することがあります。多くの応募者がいる状況では、書類選考に通過できなくなる可能性もあるでしょう。
そのため、履歴書を一通り書き終えたら、誤字脱字がないかを必ずチェックしてください。
なお、手書きの履歴書で誤字脱字が見つかった場合は修正するのではなく、新しい用紙に書き直しをしましょう。
学歴欄では、卒業年と入学年に間違いがないかの確認も大切です。
もし間違いがあれば「見直しを怠っている」などの印象を持たれる可能性があります。誤字脱字と同様に、間違いがあるだけで不採用とする企業もあるでしょう。
例えば、卒業年を1年間違えた場合には、就職浪人をしたか、募集対象でない学年なのに応募してきたと判断される可能性があり、次の選考に進めなくなるかもしれません。
また、在学中に留年した場合には、卒業年を間違えることで経歴詐称を疑われることもあり得るでしょう。
選考を通過してから間違いが発覚した場合、その間違いが意図的でなかったとしても、場合によっては内定取り消しや入社後に問題化するおそれもあります。
卒業年や入学年は、早見表などを使って確認し、細心の注意を払って記入してください。
履歴書の学歴欄は、自分がこれまで学んできたことや経歴を応募先に伝える重要な役割を持ちます。ルールに従って、間違いがないようにすることが大切です。
書き方が適切でないと、マイナスの印象を与えるだけでなく、誤解を招くこともあり、選考にも影響します。記入後は必ず見直しを行い、ルールを守っているか、誤字脱字や記入内容の誤りがないかどうかを、しっかりと確認しましょう。
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