企業の面接を受けたときに、「あなたを動物に例えると何ですか?」という質問を受けることがあります。前もって回答を考えておきたいとは思っているものの、何のための質問なのか、どう答えたら良いのかと悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「自分を動物に例えると」と質問する意図や自分に合った動物を探すポイント、適切な回答方法などを、10種類の例文とともに紹介します。
目次
「自分を動物に例えると」という質問への回答を考えるには、なぜこの質問をしてくるのかを理解する必要があります。ここでは、面接官が「自分を動物に例えると」と質問する意図について解説します。
「自分を動物に例えると」の質問の意図として多いのが、就活生の性格や人柄、強みなどを知りたいというものです。
動物の種類は非常に多く、人によってそのイメージも異なるため、「この動物を選べば正解」というものはありません。なぜその動物を選んだのかという理由から、その就活生の性格や自己分析がしっかりできているかを見極めようとしているのです。
就活生の内面を知り、自社にマッチする人物かどうかを判断するための質問なので、自己PRの一環と考えておきましょう。
自分を客観視できているかを把握するために、「自分を動物に例えると」の質問をするケースもあります。
自分の性格や長所・短所、周りからどうみられているかなど、第三者視点で自分を正しく理解していれば、なぜその動物に例えたのかを的確に答えられるからです。
企業にとって、採用活動は手間も時間もコストもかかるものであり、雇用した従業員の早期離職はできるだけ避けたいと考えています。自分を正しく理解している方は、自分の希望に合う企業や職種についてもきちんと把握しているものです。
自分の希望が明確な方だとミスマッチによる早期離職が起こりにくいため、「自分を動物に例えると」の質問で自分を客観視できているかを判断しています。
「自分を動物に例えると」の質問で、論理的に説明する能力をみている場合もあります。仕事をする上で、相手が理解しやすいよう順序立てて説明したり考えたりする能力は重要であるためです。
・なぜこの動物を選んだのか
・自分とどのような共通点があるのか
・共通点を裏付けるエピソード
上記のように筋道を立てて解説できる方なら、論理的に考え説明する能力が高いと判断できます。
「自分を動物に例えると」の質問の意図は理解できたものの、自分を何の動物に例えたら良いのかわからない方もいるでしょう。そこで、自分に合った動物を探すポイントを3つ紹介します。
「自分を動物に例えると」の質問の回答を考えるときは、まず自己分析から始めるのがポイントです。自分の性格や長所などがわからないことには、イメージに合う動物は何かが判断できません。
「真面目」「温厚」「忍耐強い」など、質問の回答に使えそうな性格や長所などを複数ピックアップしてみましょう。
自分の性格や長所などを洗い出したら、それに合う動物を探してみましょう。動物の特徴やイメージを調査して、どれがぴったり来るかを考えてみてください。
動物の知識を問う質問ではないので、生態などを詳しく調べる必要はありません。例えば、「イノシシ=猪突猛進」のように、一般的なイメージの範囲で考えてみましょう。
「自分を動物に例えると」の質問は自己PRの一環であるため、相手がイメージしやすい動物を選ぶことも重要です。
マイナーすぎる動物だとイメージが湧かないため、訴求力が落ちてしまいます。犬や猫、ウサギなど、誰でも容易に思い浮かべられる動物から選ぶようにしましょう。
「自分を動物に例えると」という質問にどう回答すると良いのかと悩む方もいるでしょう。ここでは、「自分を動物に例えると」と聞かれたときの適切な回答方法を紹介します。
まずは自分が何の動物に例えられるか、動物の名前から話しましょう。結論から話し始めると、全体像が把握しやすくわかりやすい回答になります。
続いて、なぜその動物に例えたのか理由を解説します。採用担当者が動物の特性を把握していない場合があるので、動物の特性やイメージを簡単に話した上で、自分の性格や長所との共通点を解説しましょう。
次に、理由の裏付けとなるエピソードを話しましょう。家族との関係やサークル、アルバイト先での出来事などから、理由と関連のあるものを盛り込むことで訴求力が高まります。
エピソードを話し終えたら、「このような理由から自分を○○に例えた」と再度結論を伝えて話をまとめましょう。入社後に自分の特性をどのように活かしたいのかまで伝えると、より良い回答になります。
「自分を動物に例えると」の回答で、好きな動物を選ぶのは避けましょう「自分を動物に例えると」の質問の回答を考えるときに、「ただその動物が好きだから」という理由で動物を選ぶのはNGです。もちろん、好きな動物のイメージと自分の性格や長所に重なる部分がある場合は、その動物を選んでもかまいません。しかし、単に好きだという理由で自分と共通点がない動物を選んでしまうと、回答に説得力がなくなってしまいます。「準備不足」「適当に答えていそう」とマイナスに捉えられるおそれがあるので、自己分析をしっかり行い、共通点がある動物を選ぶことが大切です。
最後に、「自分を動物に例えると」の質問に対する回答の例文を10種類紹介します。
犬は群れで生活する動物で、協調性やコミュニケーション能力が高い動物です。私もチームで動くのが得意で、メンバーと協力して結果を出すことを心がけています。
幼少期から大学まで取り組んだ○○(団体スポーツ)では、県大会で優勝するなどの結果を残せています。チームで動くときは常に全体に目を配り、悩みがありそうなメンバーに声をかけるなど、積極的にコミュニケーションを取るよう意識していました。
このような理由から、自分は「犬」だなと思いました。御社に入社後は、これまでに培った協調性やコミュニケーション能力を活かし、周囲の方と協力できる環境を築きたいと考えています。
猫には好奇心旺盛という特徴があります。私もさまざまなことに興味があり、自分なりに調べたり実際に試してみたりする性格です。
子どものころから少しでも気になったら何でも調べていたため、幅広い知識が身に付きました。アルバイト先は接客業でしたが、毎回お客様と話が盛り上がるため、私に会いに来ていると言ってくださるお客様もいました。
このような理由から、私は「猫」だと思いました。
ライオンといわれて多くの方がイメージするのが、リーダーシップではないでしょうか。私も子どものころからリーダー的な役割を担うことが多く、生徒会長や○○部の部長などを経験してきました。
自分自身が努力を怠らず結果を出すこと、その一方で周囲の意見に耳を傾けることを意識していたことで、皆が自分についてきてくれたのではないかと思います。
このような理由から、私はライオンだと考えました。御社に入社後もリーダーシップを活かして、メンバーそれぞれが活躍できる環境づくりに貢献したいと思っています。
コアラは動きがゆっくりしており、物静かな動物です。そこが私に似ていると思いました。子どものころは物静かな性格が短所だと考えており、コンプレックスを感じていました。
しかし、友人やアルバイト先の方から「一緒にいると落ち着く」「さりげなくサポートしてくれていて助かる」などと褒めていただき、長所であることに気づきました。
このような理由から、自分をコアラに例えました。
多くの捕食者に狙われるウサギは生存能力が高く、しぶとく生き残るという特性があるためです。
私は登山を趣味としており、いろいろな山にチャレンジしています。一度遭難しかけたことがあるのですが、冷静に状況を判断して生きて帰ることができました。
このような理由から、自分を「ウサギ」に例えました。御社に入社後は、困難な状況でも冷静さを失わず切り抜ける力を活かして、粘り強く頑張りたいと思います。
ナマケモノというと「サボっている」とマイナスなイメージをもたれるかもしれませんが、ナマケモノには長時間木にぶら下がり続ける忍耐強さがあります。その忍耐強さに共通点があると思いました。
大学では○○の研究をしていましたが、なかなか思うような結果が得られませんでした。しかし、さまざまな方法を試し、実験を繰り返した結果、○○のデータを得ることができました。
このような理由から、自分をナマケモノだと考えました。
ペンギンは群れで生活しているイメージがあると思います。私もチームで動くことが得意で、協調性には自信があります。
大学では○○のサークルに所属していますが、参加した当初はメンバーがバラバラに行動していて、必要な作業がなかなか進まない状況でした。
そこでサークル長に相談し、各自の得意な作業を調査して割り振りを行った結果、それまでの倍以上のスピードで作業が進むようになりました。
このような理由から、自分を「ペンギン」に例えました。
オオカミは集団で生活する動物で、強いリーダーがいるイメージがあるかもしれません。しかし、実際には父親が率先して子どもの面倒をみるなど、面倒見の良い一面も持ち合わせています。
私も兄弟が多く弟妹のお世話をすることも多かったため、面倒見が良いとよくいわれます。アルバイト先でも教育係を任せられることがよくありました。
このような理由から、自分は「オオカミ」だと考えます。
フクロウは寝ているイメージが強いですが、夜行性であり夜は俊敏に動きます。私も「行動が速い」と評価されることが多くあります。
人より行動が速いのは、先のことを考え事前準備を徹底しているからです。例えば、アルバイト先の飲食店では出勤後すぐにその日の予約を確認し、必要になりそうなものをすべて用意しておきます。そのため、お客様が来たときにスピーディーに対応ができるのです。
このような理由から、私は「フクロウ」だと思いました。
ゾウは鼻先を器用に使い、食事をしたり水を飲んだりします。私も手先が器用で細かい作業が得意です。
そのため、自分を「ゾウ」に例えました。御社では○○を制作されていますが、手先の器用さを活かしてお役に立てると思います。
「自分を動物に例えると」は、意外に面接で聞かれることの多い質問です。動物の種類は数限りなく、その場で回答を考えるのは難しいので、今回紹介した内容を参考にあらかじめ回答を準備しておきましょう。