大学生が就職活動をするときは、履歴書に「卒業見込み」を記入するのが一般的です。
しかし、自分は「卒業見込み」と記入しても良いのかどうか、判断できない方もいるのではないでしょうか。また、「在学中」や「卒業予定」と記入しても良いものなのかと迷う方もいるかもしれません。
そこで今回は、履歴書に「卒業見込み」と書ける条件や「在学中」「卒業予定」との違い、卒業見込みの証明に必要な書類などについて解説します。
目次
履歴書にはこれまでの学歴を記入する欄があり、在籍した学校の名称とともに入学年と卒業年を書く必要があります。
しかし、新卒の就職活動は大学在学中に行うため、卒業が確定しておらず、卒業年が記入できません。そのため、在学中の大学名の欄には卒業年ではなく、「卒業見込み」を記入します。
「卒業見込み」と似た言葉として「在学中」や「卒業予定」がありますが、これらは就活の履歴書では使用しないのが原則です。なぜ「在学中」や「卒業予定」を使ってはいけないのか、理由を解説します。
履歴書で「在学中」と書くのは、大学1・2年生のときであるのが基本です。大学3・4年生も大学に在籍している状態なので、日本語的には「在学中」でも間違いではありません。
しかし、企業が知りたいのは、きちんと大学を卒業できるのかどうかなのです。そのため、就活の履歴書には「卒業見込み」を使います。
就活の履歴書に「在学中」と書いてしまうと、卒業できないのかと疑われたり、履歴書の正しい書き方を理解していないとして評価が落ちたりする場合もあるので注意しましょう。
「卒業予定」なら、「卒業見込み」とあまり意味が変わらないので良いのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、「卒業予定」は「卒業見込み」よりも表現として弱く、「〇年〇月に卒業する予定ではあるが確実性はない」というマイナス方向に取られる場合があります。
卒業の要件を満たしているのに言葉ひとつでマイナスな印象を与えてしまうのはもったいないので、「卒業見込み」を使うようにしましょう。
就活の履歴書には「卒業見込み」を使ったほうが良いのですが、誰でも「卒業見込み」と書けるわけではありません。
「卒業見込み」は、大学卒業の要件を満たしており、その年の卒業がほぼ確実であることを表すためです。具体的にはどのような要件を満たしている必要があるのか、詳しく解説します。
履歴書に「卒業見込み」と記載するには、卒業に必要な単位をすべて取得している必要があります。また、大学3年生などで単位数が足りていない場合でも、卒業までに必要な単位を取得する目途が立っている場合は「卒業見込み」と記載して問題ありません。
大学や学部によっては、「必要な単位を3/4以上取得していれば卒業見込みと記載して良い」などとルールが定められている場合があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
履歴書に「卒業見込み」と書くには、単位以外の卒業要件も満たしている必要があります。卒業論文を提出すること、卒業試験に合格することなど、通っている大学や学部によって要件が異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
卒業見込み、はその名の通り、ある年度における卒業が見込める状態のことを指します。基本的に新卒採用は年度毎に募集が行われているため、「〇〇年3月卒業見込みの大学生・大学院生」のように募集要項に対象要件として記載されているかと思います。
つまり、現時点で卒業のための必修の単位が取れていなかったり、留学することが決まっている場合、その募集に申し込む要件を満たしていないことになり、仮に内定が出たとしても最終的には内定取消となることがほとんどでしょう。
自分自身の単位取得状況を把握し、そもそも対象要件を満たしているのかを確認するようにしましょう。
履歴書の学歴欄をどう書いたら良いのか、いまいちわかっていないという方もいるのではないでしょうか。そこで、履歴書の学歴欄の基本的な書き方を紹介します。
履歴書のフォーマットの多くは、学歴欄と職歴欄が1か所にまとめられています。学歴と職歴のどちらについて書いているのか一目でわかるように、一行目の中央に「学歴」と記載し、二行目以降に詳細を記載しましょう。
新卒の就活の履歴書では、義務教育が終了した「中学校卒業」から記入します。中学校入学より前の学歴を書く必要はありません。以下の見本のように、中学校卒業、高校入学、高校卒業と時系列で記入しましょう。
学校や学部・学科、コースなどを正式名称で記入するのがルールです。面倒だからと省略してはいけません。文字数が多く一行に入りきらない場合は、2行に分けてもOKです。
年度を書くときは、和暦と西暦のどちらを使ってもかまいません。ただし、履歴書の中では、和暦と西暦のどちらかに統一してください。
以下の見本からわかる通り、中学校の卒業年は和暦、高校の入学年・卒業年は西暦などと入り混じっていると、非常に読みづらい履歴書になってしまいます。
読み手への配慮が足りないとしてマイナスな印象をもたれる可能性もあるので、どちらを使うのかを決めておきましょう。
新卒の就活用の履歴書は、大学卒業前に作成するため、最終学歴が確定していません。学歴の最後には、大学名とともに卒業見込みの年月を記入しましょう。
本人が履歴書に「卒業見込み」と書いていても、企業側はそれが真実かどうかが判断できません。そのため、学生に対して、卒業見込みを証明する書類の提出を求める場合があります。
書類提出のタイミングは、選考時や内定承諾書提出時など、企業によってさまざまです。どのタイミングで提出を求められてもスムーズに対応できるように、書類の種類や発行方法などを調べ、早めに準備を進めることが大切です。
ただし、必要な書類の種類や発行方法がわからない方もいるのではないでしょうか。そこで、卒業見込みを証明する書類の種類と、各書類の発行方法を紹介します。
卒業見込みを証明する書類のひとつに、「卒業見込み証明書」があります。「この学生は本学校を卒業できる見込みである」として、大学が発行する書類です。
大学発行の書類であり、信頼性が高いため、選考や内定承諾書提出時に卒業見込み証明書を出すよう求める企業は少なくありません。卒業見込み証明書を提出できなかった場合、内定が得られなくなる可能性があるため、しっかりと用意しておきましょう。
卒業見込証明書の発行方法は大学によって違いますが、次のいずれかの方法で取得するのが一般的です。
・証明書の自動発行機
大学構内に証明書の自動発行機が設置されているのであれば、卒業見込証明書も自動発行機で発行可能です。その場ですぐに発行できるので、急ぎで卒業見込み証明書が必要なときは自動発行機を利用しましょう。
・大学の受付または学務課の窓口
大学構内に証明書の自動発行機がない場合は、大学の受付や学務課に出向き、卒業見込証明書の発行申請を行いましょう。
申請用紙に必要事項を記入して提出すれば、窓口で手渡しまたは郵送にて発行されます。発行までに数日から数週間かかる場合が多いため、早めに申請を済ませましょう。
・オンライン
最近では、卒業見込み証明書のオンライン申請に対応している大学もあります。発行された卒業見込み証明書の受け取り方法は、自宅に郵送であったり、コンビニで印刷する必要があったりとさまざまです。
発行申請後にどうやって卒業見込み証明書を受け取れば良いのか、手続きの流れをしっかり確認しておきましょう。
なお、卒業見込み証明書を発行できるタイミングは、大学によって異なります。大学4年生から発行可能とされているケースが多いですが、念のため在籍している大学の卒業見込み証明書発行のタイミングを調べておきましょう。
また、卒業見込み証明書を提出したにもかかわらず卒業できなかった場合、本人はもとより大学の信用も落ちてしまうため、発行の条件が設けられているのが一般的です。
卒業見込み証明書を発行しようとしたら、条件を満たしておらず発行できなかったというトラブルを防ぐためにも、発行条件も確認しておくことが大切です。卒業見込み証明書の信頼性を保つために、コピーして使い回すことも禁じられている点にも注意しましょう。
企業によっては、卒業見込み証明書とは別に、成績証明書の提出を求められる場合もあります。成績証明書とは、以下のような成績に関する情報が記載されている書類です。
・履修した講義や科目
・取得単位数
・科目別の評価
成績証明書の提出を求める目的も企業によって異なりますが、次のような理由であることが多いでしょう。
・取得単位数を確認し、本当に卒業できるのか判断するため
・履歴書や面接時の話が真実であるかを確認するため
・成績が優秀な学生を確保するため
・学生が学んできた分野や興味がある分野を探るため
成績証明書は成績開示後に発行できる大学がほとんどで、大学3年生でも申請できます。ただし、最新の成績証明書を提出する必要があるため、例えば大学3年生で発行した成績証明書を大学4年生の就活で使い回すことはできません。
なお、成績証明書も卒業見込み証明書と同じく、次のいずれかの方法で発行するのが基本です。
・証明書の自動発行機で発行する
・大学の受付または学務課の窓口で申請する
・オンラインで申請する
申請方法によっては発行までに時間がかかる可能性があるので、早めに手続きを済ませておきましょう。
大学3・4年生で就活するときは、履歴書に「卒業見込み」を記入するのが基本です。書き方を間違えるとマイナスな印象を与える場合があるので、正しく記入できるようにしておきましょう。
また、記入した卒業見込みが事実であることを証明する書類の提出を求められる場合があります。そのときになって慌てて用意するのではなく、事前にしっかりと準備しておきましょう。